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3112月 2023

家庭医が男性育児休暇を取ってみました

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10月半ばに妻が第二子を出産しました。それに合わせて、10月初旬から11月末までの2ヶ月弱、男性育児休暇を取らせて頂きました。長かったようであっという間の2ヶ月間でした。私は家庭医ですが、自分の家庭については改めて気付かされることが多く、育児に家事に上の子の幼稚園の送り迎えにとハウスハズバンド生活を送ってみて初めて分かったことがたくさんありました。

 

男性育児休暇を取ってみて良かったこと (1)

男性育児休暇を取ってみて、一番良かったことは、子どもに対する理解が深まり、家族の絆が深まったことです。上の子(姉)は3歳になりますが、イヤイヤ期の絶頂期です。「お風呂はいろう」「ヤダ」「お着替えしよう」「ヤダ」「歯をみがこう」「ヤダ」という感じで、自己主張の強い時期です。そんな上の子の世話をしながら、朝は洗濯機を回し、幼稚園のお弁当の準備をして、家族の朝ごはんの用意をします。妻が新生児の授乳や世話に専念できるように、上の子はなるべく自分でと思うのですが、うまくいかないこともしばしばです。子どもは大人の思う通りには動いてくれません。そんなとき、いつもだったら単純に腹が立っていたのですが、育児休暇をとって心身に余裕があることで、子どもに真正面から向き合うことができました。子どもが「いやだ」というときには何らかの理由があります。「今はお遊びをしたいの」とか「まだ眠たいからご飯を食べたくない」とか「他に気に入っている服があるから、それは着たくない」といったことです。そういうときは、それを一旦認めてあげて、うまく次のことに誘導したりします。あるいは「◯◯しちゃダメ」とか「◯◯しなさい」というのではなく「◯◯できると、お姉ちゃんだな〜、かっこいいな〜」とか、「◯◯できたら、パパはとても嬉しいな〜、◯◯できる人〜?」などと語りかけると、毎回ではないですが、上手くいきやすいことも分かりました。子どもにも自分の考えていることがあり、大人の視点でそれを否定するのではなく、子どもの目線に寄り添って、受け入れたり認めたりすることが大事だということが分かりました。

上の子との絆が深まり、妻にも「最近、○◯ちゃん(姉)はパパと仲良くなったよね」と言ってもらえました。そして、今回生まれた長男ですが、本当に、本当に、本当にかわいい。目に入れてしまっても、おそらく痛くないでしょう(笑)。妻の出産には、いろんな好条件が重なり、上の子と一緒に立ち会うことができました。実際に母のお腹から赤ちゃんが産まれてくるところをみた上の子は「赤ちゃんがママから出てきた!」と目を丸くして驚き、そして喜んでいました。退院後は、父親の役目として毎日沐浴をしたり、おむつを替えたり、ミルクをあげたり、抱っこしたりと、スキンシップを欠かさずに赤ちゃんに接しています。そうすることで、一日一日の変化にも気付くことができますし、赤ちゃんの性格も何となく分かってきました。上の子に比べると泣き方や泣くタイミングが違う。甘えん坊かな、抱っこすると泣き止むから、寂しがりやなんじゃないか、など。新生児・乳児期は本当に変化が著しく、だからこそ濃密に接することができて、大きな幸せを感じています。

 

男性育児休暇を取ってみて良かったこと (2)

男性育児休暇を取って良かったことの2つ目は、妻の普段の苦労が理解できたことです。家事をこなしながら子どもの面倒を見るというのはとても大変です。特に朝は、幼稚園の準備をしながら、料理や洗濯をやり、そこで上の子の着替えをさせたり、ご飯を促したりしながら、時間までに車に乗せなければなりません。普段、そんな妻を横目でみながらも、子どものことは妻に任せてしまっている自分がいました。夕方から夜も二人の子どもがいると大変です。お風呂に入れて、着替えさせて、ご飯を食べて、歯磨きをさせて、寝かしつけをする。一人のときと比べて、二人だと単純に二倍の労力かというと、イヤイヤ期で赤ちゃん返りもしている上の子がいると、二人の子どもへの世話や気遣いが三倍・四倍になるのです。これをワンオペでこなすというのは途方もなく大変ということも分かりました。今回は育休をとった私と妻が毎日試行錯誤をしながら、うまく連携をとって、二人の子の面倒をみる最初の2ヶ月間をなんとか乗り越えることができたと思っています。そのことで、妻に対する深い感謝の気持ちが自然に生まれてきました。

 

男性育児休暇を経験して

男性育児休暇のデメリットもないわけではありません。職場の同僚や上司にはカバーに入ってもらう分、負担をかけてしまうということがあります。今回、職場のあたたかいサポートのおかげで育休をとることができ、心から感謝しています。また、育休中は無給となり、給付金(月給の2/3程度)が入るのは数ヶ月後となります。育休をとるために大学に出す書類も結構多く(しかも、出産前と出産後でどの書類をいつ出すかといったタイミングなども意外と難しい)、書類提出の精神的負荷がありました。しかしながら、育休を取ることのメリットは、先述したように大変大きいため、デメリットを補って余りあるでしょう。何しろ、育児休暇で得られる家族の絆や、貴重な時間と経験は、何ものにも替えがたいと思います。

制度的にも育児・介護休業法が昨年4月に改正され、男性育児休暇は以前より取りやすくなりました(具体的には、雇用後すぐに取得できるようになったことや、分割取得ができるようになったことです)。男性の働き方が変わることで、女性のワークライフバランスも変わってくると思います。すべての男性に、是非、男性育児休暇を取ってみるようお勧めしたいと思います。

 

Author:孫 大輔


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