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123月 2020

4つの「助」によりささえあう(前編)-互助、共助、自助、公助について

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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病気になっても、できるだけ病院を離れ、住み慣れた地域で生活しつづけるために「助け合う」仕組みを「地域包括ケアシステム」といいます。

 

例えば、つぎの4つの中で生活のために助け合う仕組みはどれでしょうか?

1.別居している家族や近所の人たちの訪問をうける
2.介護保険や社会保険を用い、サービスを受ける際の費用の一部を負担する
3.健康に注意を払いながら、介護予防活動に自ら積極的に取り組む
4.生活保障制度や社会福祉制度を用いる

一見、助け合いとは異なるものが含まれているようにみえるかもしれませんが、
それぞれ、互助、共助、自助、公助という助け合いの方法にあたり、すべて〇です。


次に、1~4について、助ける人をイメージしながらくわしく説明します。

1.家族や近隣の人にささえあう「互助」

最近は、同居していても仕事が忙しいなどの理由で、家族関係が疎遠になりがちです。
ただ、家族が離れ離れでも、家族間で支えあう力は他に代えがたいものがあります。

近所の親しいお茶飲み仲間同士のちょっとした助け合い、自治会、民生委員、地域によっては移動販売車の店員が住民さんの様子を観察することがあります。

「元気だったあの人と最近出会わない」、「いつもと何となく様子がおかしい」などの、ちょっとした気づきがいのちをつなぐことにつながります。

2.国民(保険金、年金)によってささえあう「共助」

相互扶助のことで、医療、年金、介護保険、社会保険制度など被保険者による相互の負担で成り立っています。

3.自分自身で自分を助ける「自助」

自らの健康に注意を払って、デイサービスや地区の健康教室で住民さんと一緒に運動を行い、健康維持のために検診を受けるなど、自発的に生活における課題を解決するものです。

要介護や生活保護などの種々の認定が、病気にかかれば自動的におりることはありません。皆さん自身やご家族が市町村役場に相談においでになることが必要で、広い意味では「自助」に相当するかもしれません。

4.これも国民(税金など)によってささえあう「公助」

自助・互助・共助では対応出来ない、経済的困窮などに対して最終的に必要な生活保障を行う社会福祉制度のことです。公による負担(税による負担)で成り立ち、生活困窮に対する生活保護、人権擁護などが該当します。

4つの「助」-互助、共助、自助、公助という助け合いの方法について説明しました。

この4つの中で、皆さんが最も重要だと思われるのはどれでしょうか?

わたしは、少なくとも制度上のしくみや国民からの収入で支える共助と互助ではないと考えています。いいかえると、支援をうけるご本人、そのご家族とも、人まかせではいけないと考えています。

 

Author: 浜田 紀宏


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