おもちゃ好き女子、母になりました
鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
執筆、講演、研修、取材の依頼はお気軽にこちらからお問い合わせください。
先日、かの有名な知育人形『ぽぽちゃん』の販売終了が発表されました。SNSでもぽぽちゃんを惜しむ声が数多くあがっていました。(小さい頃遊んでたのに残念、と思ったら自分が持ってたのメルちゃんだったわ、という人もいましたが)私はぽぽちゃんもメルちゃんも持っていませんでしたが、近所のお姉ちゃんに遊ばせてもらったのを覚えています。あの、哺乳瓶を傾けたらミルクが減っていく仕組みが気になって仕方なかった。(今でも気になっているので誰か教えてください)そんな、持っていなかった私でも記憶に残っているくらいの一大ブランドの終了、というのは、おもちゃ市場の移り変わりというか、そういう時代の流れなのかなあ、と納得しつつもやっぱり寂しさをおぼえます。
おもちゃ売り場やおもちゃのCMを見るのが昔から好きでした。おもちゃの宣伝って、ワクワクが詰め込まれていますよね。そのワクワク感を、童心に帰って純粋に享受するのがとても好きなんです。あと、今のおもちゃってこんなことできるの?!というものばかりなのでそれもおもしろい。(おもちゃでプログラミング?!とか、おもちゃでのり巻き?!とか)好きが高じすぎて、妊娠前にも関わらず、夫を某大型おもちゃ屋さんに連れて行き一緒に見て回る、というデートをしたことがあります。テンションが上がりすぎて、序盤の0歳児向け知育玩具コーナーですでに息切れしていました。(一緒にノってくれた夫に感謝)
こう書くと「小さい頃おもちゃ買ってもらってなかったの?」と思われるかもしれませんが、むしろ逆で、ひとりっ子だったこともあり家にあったおもちゃは充実していたように思います。ただ、みんなが持っているようなテレビゲームや流行っていた某たまご型携帯育成ゲームなどは持っていませんでした。友達の家で遊ばせてもらう分で満足していた気がします(ただ、そのせいで対戦ゲームはめっぽう弱く、対戦モノではAとBの連打しかできないし、カーレース系では必ず逆走・落下してカメ出てくる)
持っていたおもちゃで覚えているのは、マイクをテレビにつなぐカラオケのおもちゃ、太鼓型リズムゲーム(あの有名なやつではありません)、シールメーカー、ステンシル、某魔女っ子アニメのみならいタップ。そして圧倒的におもちゃ収納の中で幅を利かせていたのはシルバニアファミリーでした。家や店、家族を少しずつ買い揃え、シルバニア目当てに友達が遊びに来るくらいには持っていました。ファンクラブにも入っていたっけ。
こういう昔のおもちゃの思い出って、幼少期の自分でしか感じられない世界観の上に成り立っているので、今となっては手が届かない、胸がきゅっとする感覚があります。最近でいう「エモい」というやつですね。今でもおもちゃが好きなのは、その感覚が忘れられないからなんだと思います。
そんな私も、昨冬出産し、今度は子どもにおもちゃを買い与える立場になりました。0歳児向けのおもちゃは、娯楽よりも知育の意味合いが強いので、前述のおもちゃ達とは買い与える意味が違うとは思いますが、いずれにせよ子どもの喜ぶものを買ってあげたいのが親の心情です。しかし、赤ちゃんが「これがほしい!」とか言うはずもなく。連れて行って手を伸ばしたものを、これが好きなのかと思って買っても、いざ家で開封するとちょっと遊んでポイ、みたいな、「えーあんなに好きそうだったじゃーん」ということもザラ。なかなかヒットに恵まれません。買ってみないと分からない。だけど、お気に入りのおもちゃでにっこーー!!と笑ったり、真剣になめたりするのを見るのがたまらないんですよね。もう、「ここからここまでのおもちゃ全部ください」とかやりたい。お金に余裕があれば。あと収納。出産前は「赤ちゃんって、そんなにおもちゃいるの?数種類でいいのでは?」と思っていましたが、とんでもなかったです。(赤ちゃんのおもちゃとベビー服はまさに沼)
でも、そのうち我が子も自分の意思でおもちゃを選ぶようになり、知育より娯楽の意味合いが強くなり、ひとつひとつが高価になっていくのでしょう。イベントごとやごほうびで買うものになり、いつか「買ってー!」と駄々をこねる日が来るかもしれません。おもちゃを買ってもらえる数少ない機会に、目を輝かせて吟味する我が子を、私はどんな気持ちで見守るんだろう。きっと、いろんなおもちゃを眺められることを密かに楽しみながら、悩む子どもにあれこれ言いたくなるのをぐっとこらえて(でも私のことなのでちょっと口出しして)「これがいい!」と言う笑顔を心待ちにするんだろう。
私の幼少期から20年余、おもちゃはどんどん進化しています。ぽぽちゃんがなくなるのは寂しいけど、きっとまた新しいアイデアのおもちゃが出てくるはず。そんなおもちゃ達と、今度は「与える側」として出会えるのが楽しみです。おもちゃとの縁は、しばらく切っても切れなさそうです。
最後に、今すやすやお昼寝中の我が子へ。
お母さんは昔っからおもちゃ好きなので、将来一緒に遊びたいって言っても許してね(嫌だったら言ってね)。あと、寝転がってとなりでPCをカタカタさせているお母さんの脇腹をガンガン蹴らないでください。けっこうほんとに痛いから。かわいいけど。
Author:竹安 つばさ
こちらのページは、鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
執筆、講演、研修、取材の依頼はお気軽にこちらからお問い合わせください。