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71月 2020

医師の学びとは?

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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教室員で書くブログも2周目になると何を書こうか悩むものです。

普段教室員全員で会うことがないとはいえ、お互いのことをよく知っていると思っていても、教室員が書いた文章を読むとやはり各々の性格がでてると面白く読ませてもらっています。

業務に追われ、締切に追われながら書いた教室員の渾身の文章を、是非ともHPをさかのぼって読んでみてください。

医師に必須な勉強会って?

医者はよく勉強会なるものがあります。小生は比較的出席は少ないほうだと思いますが、それでも月に1、2回はアフターファイブや土日の休みの日にこうした勉強会にでかけます。小さな勉強会も含めると、週2回はルーチンであったりします。

今回はこうした勉強会などを含めて、医師がどのように学びをしているかについて書いてみようと思います。

なお、もちろん医師といっても様々なキャリア・働き方・考え方があるので、極力一般論化してみますが、個々人で考え方が異なることはご承知ください。

 

医師になるまで〜道のり編

医師になるために最低限必要な教育期間は、大学合格後6年間の学部学生の期間があります。そこで一通り内科から外科から精神科から放射線科まで幅広く学びます。

多くの大学が5年生の病院実習が行われ、大学病院で慣れない様子で白衣を着ている学生を見るとするとこのシーンです。医師国家試験は全ての科から出題され、これに合格すると医師として勤務が開始されます。

勿論それだけで知識は事足りるものではなく、次のステップとしては実際の現場で研修医の立場で勤務を行います。医師として1人前とは決して言えず、基本的には指導医に相談しながら、責任を感じながら担当させてもらっている患者さんの治療に当たります。

病院の救急外来を受診すると、まず診察に当たる医師もこの研修医であることが多いです。「ブラックジャックによろしく」というマンガではこの初期研修医のことが描かれています。人生初の給料はこのタイミングからいただきます。

この頃までに自分の専攻する科を決め、初期研修医が終わった後に専攻医(後期研修医とも呼びますが)と呼ばれるステップに進みます。ようやく主治医として患者さんを担当することもありますが、それでも指導医の助言無しで患者さんを見ることはできず、バックサポートが必ずつきます。

専攻医が終わるころから、一人の医師だけで患者さんを担当させている病院が多いように思えます(もちろんケースバイケースですし、患者さんのことで悩んだ時に相談できる環境は常に残っています)。ここからは特定の教育の環境というよりも、自己学習が続きます。どうやって勉強をしているのか。ここからは現在小生が実践しているものを紹介したいと思います。

 

医師になってから〜実践編

①本(医学書など)

初期研修医初任給の多くはここに消えると、ひたすら言われたものです。一般書よりも高いものが多いですが、いわゆる成書と呼ばれる分厚い医学書から、解説図が多くわかりやすくまとめられたものまで様々あります。

大きな書店には医学書コーナーがあるので、よければ一度どんな本があるか見ていただいても面白いかもしれません。こうした大きな本屋が小生の住んでいる近くにはないので、ネットで購入することが多いです。

②Webでの検索

意外かもしれませんが、ネットが最も役立つ勉強のツールです。といっても、ネットの情報はピンきりです。信頼できる情報源から調べる、これも能力の一つだと個人的には思います。

私はこの治療で良くなった!といったものは信頼度としては非常に低く、研究などを通してエビデンス(証拠)があるかどうかということが大事になってきます。有名なものはup to dateなどでしょうか。今は多くの論文がWeb上で見れることもあり、田舎にいても最新の知見を学ぶことが可能です。

③製薬会社主催の勉強会

おそらく最も一般的な勉強会というとこれでしょうか。平日の夜などにホテルの会議室などで行われており、製薬会社がその分野で著明な先生を呼び、講演を行います。

内容としては、演者の専門分野ですが、暗黙の了解として主催している製薬会社の薬の効果について言及することがほとんどです。そのため公平さに欠ける可能性があるため、配慮が必要です。

④勉強会(製薬会社が関わっていないもの)

自主的にワークショップや講演をやったりしています。総合診療科の医師はその範疇が広いこともあり、様々なワークショップ・勉強会があります。

小生は英語の内科の問題集を若手のメンバーと一緒にオンラインでやったりしていますが、こうした問題集をといたり、抄読会といって世に出ている論文を通して学んだことを担当を決めて発表し合ったりするような勉強会も、多くの病院で行われています。

⑤学会(学術集会)

世間的に有名なのは学会ではないでしょうか。自分が経験した患者さんのことを症例報告としてまとめて発表をしたり、研究を発表したり新たな知見を学んだりもします。

国際学会から地方会までさまざまあります。自分と同じ分野に進んだ同級生や先輩などと学会であったりすることもあり、同窓会のようになることもあります。
 


10年どころか5年経つと、医学の常識が古い常識と変わるため、常に勉強が必要な業界だとつくづく思います。特に医師の場合、新たな知見を学ぶことも大事ですがそこにエビデンスがあるか、そしてそれをどうやって目の前の患者さんに応用するのか、ということが重要です。

忙しい業務をしながら勉強を続けるのはなかなか大変なことではありますが、自分が担当している患者さんに良い医療を提供できるよう、日々研鑽を重ねていきたいものです。

Author: 李 瑛


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