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272月 2020

松江の風物詩・鼕行列

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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島根県松江市で古くから伝わる『鼕(どう)行列』をご存知でしょうか。

松江旧市内の約40町が、直径2~3メートルの大きな太鼓(鼕と書いて“どう”と読む)を横にし、車輪と屋根のついた台に乗せて『鼕(どう)』を打ちながら松江市内を北から南へ行列をするという秋の伝統行事です。現在は10月第三日曜日の松江祭に行われています。

 

市民にとっての鼕行列とは


『鼕(どう)行列』は、とんど祭りに由来し、歳徳神の宮 (神輿) を担ぎ、鼕・笛・チャンガラ(和楽器の金拍子・銅拍子)を囃し、五穀豊穣を願って町中を練り歩いたのが始まり。
今日のような形になったのは、大正天皇御大典の際に各町が競い合って大きな「鼕」と「鼕宮」を造り、数十町内が行列をしたのが始まりと言われているそうです。(松江市鼕行列保存会Webサイトより)

9月に入ると松江市内のあちらこちらで『鼕(どう)』の練習の音色が聞こえてきます。

基本の曲(演奏)は“しゃぎり”と呼ばれ、元々神社で演奏される行進曲で、各町でアレンジされ継承されています。
一見同じ曲に聞こえますが、町ごとに細かいテンポやうち方に違いがあるので、聞き比べてみると面白いですよ。

実家の町も『鼕』を持つ町で、子供のころから『どーん どどーん』の音が聞こえだすと、ソワソワうきうきしたものでした。

 

徐々に高まる高揚感


本番2か月前になると町内会館に奉られている歳徳神さんに町民一同で参拝した後、練習開始です。

子供からお年寄りまで、毎週末集まっては鼕うちや笛練習を繰り返します。
……練習と言いながら大人たちは酒(お供え物のおさがり)を酌み交わして、あーだこーだ話しているのが楽しみだったりします。

この日ばかりは大人たちが(お酒も入り)寛大な為、子供たちは練習の合間に大人のおつまみを(まさに)つまみ食いをしたり、ジュースを飲んだり。普段は出歩かない時間に(しかも夜)外にいるという特別感に妙な高揚感に包まれています。

10月に入り本番の2週間前になると毎晩の練習が始まります。
ここでぐ~っと大人たちのやる気がシフトチェーンジ。

通りがかりの観光客の飛び入りがあったりと和やかムードだったこれまでと打って変わり、“しゃぎり”と、それを早くたたく“早たたき”に、“ミタミタ”という曲(演奏)を皆がそろって美しくうつ練習をします。
更に笛とチャンガラが全て揃うように、猛練習に入ります。

大人たちの真剣な雰囲気に圧倒されてか、子供たちは更に練習熱心になります。

そして毎回“遊び”的な曲も演奏するのですが、2019年の楽曲はwe will rock you♪
おっちゃんおばちゃんの気分はアゲアゲです。

 

みんな立派な鼕だらず


そして迎えた当日、揃いの法被と股引き姿に草履や地下足袋!女性はばっちりメイク&ヘアーでキメキメです。
1チーム9人×8チームで交互に鼕をたたき、笛方とお囃子方を合わせた約100名の姿は圧巻です。

今年は長女(小5)はうち方に加えて笛に挑戦!
次女(小1)はカッコイイ女子中高生の姿に触発されて、うち方に興味津々!
夫は町内の帯同カメラマンを仰せつかり激写しまくり、私はまさに鼕だらず(だらず=熱中人)で完全燃焼2019!

1日中鼕をたたき練り歩いた後、心地よい疲労感と興奮のまま突入する直会(打ち上げ)は、それはそれは盛り上がります!
……が!開催日はなぜか毎回日曜日!!!(しかも市内中学生は中間試験期間)
松江在住ではない私たち家族は、1次会に参加後、泣く泣く電車で米子に帰って行ったのでした~。

次の参加は、2021年!未だ笛にうち方に研究熱心な娘たちは、立派な鼕だらずになったようです(^^)/

鼕行列自体は毎年開催されていますので、皆さんも是非一度松江の秋の風物詩を見に来てみてください!

トップの写真/本文中3枚目:松江観光協会より

 

Author: 永富 純子


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