「終戦と今から作る未来と」
鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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これをしたためているのは2021年8月15日 終戦から76年が経過した日です。このブログ記事は、地域医療学講座の教員や関係する人が、持ち回りで順番に書いていくものですが、締め切りが決まっており、私の締め切りがちょうど本日でした。
そんな今日は『きけ わだつみのこえ』(岩波文庫 日本戦没学生記念会 編 新版 きけ わだつみのこえ)を読んで当時の想いに耽っています。この本自体が、若い学徒の戦時中戦後の手記をまとめたものです
もし、明日自分の命がなくなってしまうとしたら
今を生きる私たちにとって、死自体が遠い存在になっているように思います。ただ周りで人が亡くなることが少ないだけであって、亡くなる人は一定数おられます。自ら死を選ぶ人も決して減っているわけではありません。私も明日生きているという保障はありません。明日死ぬとしたら自分は何をするのだろうか、そのために今日何をすべきだろうか、そしてそれは自分の為だけでなく、社会の為になるのだろうか、そんなことを考えて生きていく重要さに気付かされます。
またこの本を読んでいると、1人1人が私の今の年齢よりも若い年齢で当時の戦時下で非常に思慮深く考えていることに感銘を受けました。その文章を読んでいく度に私自身の愚かさに気付かされるような想いです。
終戦から76年。今は日本が軍事的な戦争をしているわけではないですが、新型コロナウイルスなど社会的な問題を抱えて生きています。今一度、日本人として、自身の死とこれから何をなすべきか、を考えていく必要があると思います。
今後の未来を作っていくために
思慮を欠けば、礼節を欠き、ややもすれば利己的になってしまうのが人間の本質にあると捉え、常に思慮深く、謙虚に学び活かしていくことを大切にしたいものです。繰り返しにはなりますが、明日死ぬとして、今日やっていることは本当になすべきことか、この気持ちを忘れずに、忘れようとした時に、また振り返れるように、8月15日は死を深く考えなおす機会になるかもしれません。
今後の未来を作っていけるのは数年後、数十年後の未来に責任を果たせる人だと思っています。責任を感じなくなれば、怠惰になり、今を生きることだけになってしまいます。未来への責任、それを読み違えず、正しく今を理解して、1つ1つ取り組んでいくことが重要だと心から感じています。
私に未来をよくする力はないかもしれないけれども、この鳥取の地域医療学講座、そして総合診療に理解を示してくださる人全体で想いを共有して、未来をよくしていけるように、その未来では全ての人が幸せであるように、まだまだ未熟な私ですが、何かが出来るように考えていきたいと思います。
Author:大塚 裕眞
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