オンラインで忙しい今日このごろ
鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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このブログは教室員交代で書いており、年に2回ほど書く機会が回ってきます。いろいろと気合い入れて書きたい!と思っていても、ついつい忙しさを言い訳にしてしまい、ぎりぎりになって原稿を書く、そんなことが何回か続いておりました。今回も締め切り1週間前にこの文章を書いております。何を書こうかなぁと思いながら、最近の活動を振り返りながら書いてみようと思います。
オンラインがもたらしたもの
コロナ禍になり大きく変わったのがオンラインでいろいろとできることが増えた、ということです。例えば、中国地方の家庭医の指導医グループの研修会なるものがあり、2年ほど前にもお誘いをいただきました。この頃は中国5県への移動などがあり、興味はあるけど行けないなぁ……ということでお断りをしました。しかし昨年度はコロナ禍でオンラインでの実施!となり、他県に住む指導医達とオンラインで研修会にのぞみました。毎月顔を合わせて、ある種合宿のような雰囲気で仲良くなった中国5県の指導医達ー直接会ったことはない人がほとんど、というのがコロナ禍らしいですね。
オンラインでの活動は外へ出かける必要はない一方で、家にまで仕事を持ち込むことになります。9時~17時は仕事をし(病院の仕事は時に非常に遅くなることもあります)、家に帰って食事や入浴を終えた後にオンライン会議が入ったり、土日に予定されているものもあります。ある1週間の小生の予定ですが、月曜22時~、火曜20時~、21時半~、水曜当直、木曜18時~、金曜ようやくFREEといった具合のときもありました。仕事後に病院や大学での会議に出なくていいのは楽になりましたが、肩こり、目の疲れは言うまでもないですし、家族との時間も考慮しないといけません。
デメリットも書きましたが、全体で見るとや便利な世の中になってるんでしょうか。なかなかこの評価をするのは難しいようですが、世の流れに乗りながら頑張るしかありません。新たなツールが導入される時っていつもこんな感じなのでしょうか。おそらくコロナが収束しても、ニューノーマルな象徴として、オンライン文化は残るような気がします。そう思うと、我々はワイワイガヤガヤ何も気にすることなく集まることのできた最後の世代になってしまうのでしょうか。
オンラインで進行中の取り組みについて
さて今自分が携わっているオンラインでの取り組みをいくつか紹介したいと思います。
1つ目は中学生への授業です。近くの小中学校に毎年当講座の教員が命の授業として、性教育やキャリア教育をさせてもらっています。今年は小生が薬物乱用の授業を担当させてもらうことになり、この準備を医学生有志で準備をしています。昨年までは医学生と一緒に準備をする、ということはなかったのですが、今年度はぜひとも当講座の取り組みに対して興味を持ち、地域の取り組みを一緒にやっていきたい、とのことで本企画に希望する医学生と一緒に準備を開始しました。当然のことながら、講義を受けることがほとんどで自分たちで授業を行ったことはない医学生達。どういうテーマで行うのか、どうすれば授業に興味を持ってもらえるのか、何をベースに自分たちは学べばいいのか、などなど。まだまだ授業までは遠いですが、定期的にオンラインで集まって打ち合わせをしながら、生徒さんの役に立つような授業を準備していきたいです。
2つ目も教育関係ですが、大学の講義です。小生の大学教員としての教育は、現場での実践教育(臨床実習と呼び、医学科5年生や6年生が対象です)が主なのですが、時々大学講義を担当します。昨年度から開始した、症候学という医学科3年生への講義の一部を担当させてもらっています。医師になるためには様々な学びが必要となりますが、症候学は、熱が出た患者さんが受診した時にどうやって診察を進めていくのか、腹痛の患者さんが来たときに何に注目すべきか、というような講義になります。もともとは対面授業ー大きな講義室に教員が一人と100人前後の学生さんで行う予定でしたが、コロナ禍でオンデマンドとなりました。オンデマンドは、自分の自由な時間にWEBを使って視聴できるもので、期間を決めてWEB上で見れるような設定をしていることが多いです。(鳥取大学医部すべての講義がオンデマンドというわけではなく、対面式の講義も行われております)
対面授業と異なりオンデマンドのメリットはなんでしょうか。やはり自分の自由な時間で視聴できる、聞き逃したところやゆっくり聞きたいところをしっかりと聞けるというところです。ただ教室でワイワイしながら休み時間に友人たちと議論をする、という光景はなかなか生み出せないところが残念なところでしょうか。リアルタイムのオンライン講義であれば、講義中に少人数のグループに分かれてディスカッションをすることもできたりします。
3つ目に英国研修です。当講座は、2年前まで英国に1週間程度学生さんと一緒に研修に行っておりました。英国は家庭医が国の制度にきちっと整っており、その仕組や卒前教育(いわゆる医学生の教育)を学ぶことは学生さんの刺激につながったものです。2020年春にも行く準備をしておりましたが、コロナ禍でキャンセルになり、来年春にも行ける予定はたっておりません。しかし国際交流や海外の仕組みなどから学べることは多々あると考え、なんとかこの流れをつないでいきたい!と現在、オンライン版の英国研修(仮)を企画しております。医学生有志と英国で勤務されている日本人家庭医とオンラインで打ち合わせを行っており、今秋か今冬には鳥取大の医学生や研修医向けのイベント告知ができる予定です。是非楽しみにしてお待ち下さい。
本年も折り返し地点を過ぎ、2021年も残すところ半分を過ぎました。1、2年前からは想像もできなかった世の中に生きていることを実感します。激動の中で新たな技術を使いこなしながら、人とのつながりを大事にして過ごしていきたいものです。
Author:李 瑛
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