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262月 2024

『母親1歳の備忘録』

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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先日、子どもが無事1歳の誕生日を迎えました。

1年前、ふにゃふにゃで、「急に外の世界に出て来てしまったんですけど、どうすればいいんですかーーー⁈」という感じで、泣くか寝るかうにうにしているかだったほやほや新生児が、大きいお餅を背負って「何ですか?」と言わんばかりにおすまししている。実に感慨深いです。前回ブログを担当したときは寝返り全盛期で、寝転んでPCを使っている私の脇腹をげしげしと蹴ってきていたのですが、今やハイハイと伝い歩きを駆使して、部屋のどこに置いてもテーブルの上のPCをいじりに来ます。全然書けない。

そして、子どもの誕生日に私も母親1歳になりました。

母親1歳……

……?

 

私は果たして成長できているのか?

子どものめざましい成長に親の成長がついて行っていないのは確か。

1歳になった子どもに「もう少し赤ちゃんでいてーーー‼︎」と懇願してちょっと引かれたり、いつの間にか子どもが新しいことをしはじめ、記録しそびれて後で痛い目を見たり(健診で「あれいつからしてたっけ……」ってなる)、歯がだいぶ生えてきたのにまだ毛がシリコンの歯ブラシ持たせていたり(これは単に面倒なだけ)。

だけど、産前と変わったなぁと感じることはたくさんあります。

ということで、今回はそんな妊娠・出産を通して自分の中で変わったことを箇条書きにして、この1年を振り返っていこうと思います。1歳のときそうだったな、と懐かしがるときがきっと来ると思うので。

産育休でしばらく臨床からも講座からも離れているので、「それなりに母親業やっているんだな〜」と温かい目で見ていただけたら嬉しいです。

 

○外出しなくなった

出産前は買い物に行ったり外食したりと、休日に家にいることが少なく、むしろ家から出ない休日を「もったいない」と思っていましたが、産後はいかにして外出の機会を減らすか考えるようになりました。これは単に赤ちゃん連れの外出が面倒、ということに尽きます。荷物も多いし、チャイルドシートに乗せなきゃいけないし、とにかく気合いを入れる必要がある。慣れの問題だと思いますが、とにかく外出のハードルは上がりました。

○自分の物欲がなくなった

かつては休日にコスメを見に行ったり、シーズン前には新しく服を買ったりしていたものですが、前述のとおり外出をあまりしないのでコスメも服も買い足す必要がないし、子どものことに精一杯で自分を飾る余裕もありません。そんなこともあって、18歳のときに買ったセーターが現役です(それは何とかした方がいい)。

○代わりに子どものものだと財布のヒモ激ゆる

皆様のご想像どおり、物欲は子どものものにシフトしました。消耗品でもいいものを使ってあげたいし、いろいろ試して合うものを探したい。月齢ごとに必要なものが変わるので出費はかさみますが、自分のもの買ってないからいっか、と思っています。

子ども用品店に行くと予定していなかったものまで買ってしまうので頻度を落としているのですが、先日冬服が安くなっていたら来年に向けて大きいサイズのものを買っておこうと思って行ったら、数十分後に買い物かごに入っていたのは春物、春物、夏物でした。セールでもないのに。何で?(買った)

○ストックするようになった

物欲が高じてマキシマリストになっています。かさばるものは赤ちゃん連れだと持って帰るのが大変なので、基本ネットで箱買いしています。使うんですけど、現時点でおむつの段ボールが3箱あるのは自分でもやりすぎだと思ったりはします。

でも、先日の地震で特に子どものものはあるに越したことはないなと感じたので、ストック生活はしばらく続きそうです。

○ショッピングモール最強説

先述のとおり外出が億劫なので、どうせ買い物に行くなら、食品も日用品も育児用品も百均もワンストップで買えるところがいい。雨の日や日差しが強いときは立体駐車場がいい。おむつ替えスペースや授乳室もはずせない。……ええ、ショッピングモールしかありません。ショッピングモールに子連れが多い理由がとても良くわかりました。見知らぬ親子を勝手に同志だと思っています。

○テレビを見なくなった

子ども、特に赤ちゃんはテレビや動画をできるだけ見ない方がいいそうです。もちろんそうも言っていられない家庭も多いと思いますが、うちではあまりつけないことにしています。なので、流行のもの、特に映像や音楽系があまり分からず、浦島太郎状態です。でも意外と困らないものですね。これが歳をとるということ……?

○とりあえず童謡を歌っている、けど…

子どもがぐずるなど、ふとしたときに童謡を口ずさんでいるのですが、自分の幼少期に見ていた某子ども番組の影響で、洋楽アレンジの替え歌でしか思い出せない歌がいくつかあります。もうそのまま歌っています。ポケットの中のビスケットは叩くと壊れて小麦粉になるし、おはなしゆびさんではあなたが噛んだ小指が痛いし指から血が出て湿布します。いつか直したい。世代あるあるでしょうか。

○スマホを見る時間が増えた

子どもの1日の記録をアプリで管理したり、SNSで育児情報を検索したりとスマホはますます手離せなくなりました。SNSを見ていると、社会から孤立している感覚が少し薄れるんですよね。あと、育児ライフハックとかも、非常にお世話になっております。

○自分が患者側に立つことが増えた

生来健康であまり病院にかかることがなかったので、産婦人科・小児科にかかるようになり患者の立場になることが増えました。医者として分かっていた「つもり」だったことや、あのとき患者さんにこうすればよかったな、と今になって考えることもあり、復職時は謙虚に頑張ろうと思います(そもそも現場から離れすぎて復職時各方面に謙虚にならざるを得ないのですが)。

○肩こりがどうやっても取れない

もともと肩こり持ちだったのですが、授乳や抱っこで悪化しガッチガチになりました。最近は後追いがひどく、そのガッチガチ肩でおんぶして家事をしているので、鉄の板でも埋め込まれているのかな?と思うくらい硬くて、力持ちの夫の指を泣かせています。ストレッチや肩回しなんて効果なし。だれかいい解消法知りませんか?

○カメラロールが9割5分子ども

臨月に入った頃、SNSで「出産前にカメラロールを整理した方がいい」というアドバイスを目にしたので、不要な写真を削除したのですが、もっと削除した方がよかったと思うくらい子どもの写真ばっかりになりました。だいたい同じシーンで10枚弱。どれも表情が違うから「良く撮れたのを1枚だけ残そう」とか無いし、ブレていてもかわいいので消せません。容量の大きなスマホに買い替えるか……。

○自分の子どもが世界一かわいいと思っている

私は同年代の親戚の中で一番年下で、いつも大人に囲まれていたこともあり、子どもの相手はあまり得意な方ではありませんでした。嫌いではないけど、どう接したらいいのか分からない。なので、子どもができたらかわいいだろうけど、私のことだからどこか冷静な目で見るんじゃないか、と思っていたのです。ところが生まれてみたら、何ということでしょう、『かわいい』の大渋滞ではありませんか(某リフォーム番組のナレーションで再生してください)。しかも「自分の子どもだからかわいい」というより「世界中探してもこんなに愛くるしい赤ちゃんは他にいないのではないか」とわりと本気で思っているんですよね。赤ちゃんが並んでいて「どれがお子さんですか?」と聞かれたら「一番かわいい子です!」と言って困らせる自信あります。客観的視点?何それ。親バカ上等、だって本当だもん。

 

……とまあ、こんな風に、妊娠・出産を機に価値観や物事の見え方がぐっと変わりました。二度と独身の頃の生活には戻れないんだろうな、と思うと少し寂しいですが、この子を無事に社会に送り出すことがこれからの私の任務だと考えているので、「子育て」という人生の新たなミッションを楽しんでいこうと思います。

諸事情によりもう少し育休を取っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

 

最後に。子どもへ。PC作業している間かまってあげられなくてごめんね。でも、あなたが今振り回して投げようとしているのは、母の大事なスマホです。あなたのスマホ(おもちゃ)はすぐそこにあります。返して。

Author:竹安 つばさ


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