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252月 2019

最期の時間、総合診療医にできること。

鳥取大学地域医療学講座発信のブログ「地域と医療のいま」です。
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みなさん、こんにちは。

鳥取大学医学部地域医療学講座の朴です。

前回、認知機能障害と高齢者医療の在り方についてお話させていただきました。今回はさらにその先にある、延命治療というテーマについてお話させていただきたいと思います。

 

延命治療の是非について

最期は、自宅で家族に見守られながら穏やかな時間を過ごしたい。

そう願う人は多くいるのではないでしょうか?

しかし、現実には何らかの理由でご自身の意思を確認することができず、終わりの見えない延命治療を続けている人も多くおられます。

こうした場合、最終的な判断をするのはご家族になることが多いです。

 

しかし、ご家族であっても

  • 最期の過ごし方をどうするのか?
  • どこで終わりにするのか?

という大きな決断をする事はとても難しく、大変な事だと思います。

 

以前から、「延命治療はしない」といった明確な想いを元気なうちに伝えていた方であれば、決断もスムーズかもしれません。

とはいえ実際は、突然訪れた状況に混乱されるケースが多いように思います。

 

現在の医療における、自然な死とは?

穏やかに、自然な最期を迎えたい。

「自然な死」とは、一体どういう状況なのでしょうか?

現在の医療では、延命治療をしない・中止するという行為が法律的に罰せられないのか?というと、医師の刑事責任の免責基準を明確に示した法律は今のところありません。
そのために、日本国内で延命治療中止の事例が事件化したケースが、いくつかあります。

また、ご本人が延命治療を拒否されていても、ご家族が延命治療を望まれ治療を続けるというケースもあります。

つまり、延命治療を希望していなくても、時に希望通りいかないケースが実際にはあるのです。

特に急性期病院、救急救命センターなどで自然な死を迎えるのは難しいケースがあります。

 

出来る限り、穏やかな最期を過ごしてもらいたい。

ご本人にとっても、もちろんご家族にとっても。

出来る限り、穏やかな最期を過ごしてもらいたい。

これは、患者さんに関わる全ての医療者が、最後の最後まで願っている事です。

終末期には、疾患の影響で痛みが強く出てしまう方や、薬の副作用などで体中がむくんで辛い状況となる方も多くおられます。

こうした痛みや苦痛が伴う時間をできるだけ少なくし、ご家族との残された時間を穏やかに過ごされることができるよう、ご本人の状況に合わせて対応していくのが総合診療医としての役目でもあると感じています。

誰しもに必ず訪れる、最期の時。その時をできるだけその人らしくいられるようにサポートしていきたいと思っています。

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