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2412月 2020

学生の受ける講義について

鳥取大学地域医療学講座発信のブログです。
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私は2020年4月から当講座に異動してきて、自分が卒業して以来10年ぶりに大学の教育現場を目にしました。10年前とは変わらない講義もあれば、新しく追加された講義もあります。

 

 

講義を受けていたときに感じていた疑問と今の思い

ちょっと不思議なことを書きますが、学生の頃、私は「医師になってしばらくしたら、もう1度大学2年生から講義を受け直したい」と思っていました。私は在学中、1年生の頃は鳥取市にある本学で基礎教養の講義をうけ、2~6年生では米子の医学部で医学系の講義を受けるカリキュラムでした。その2~6年生に受けた講義を、医師になってしばらく働いたらもう1度受けたいと思っていたのです。

なぜそう思っていたかと言うと、自分が受けている講義が医師の業務の中でどのような形で活きてくるのか、学生の間はずっと気になっていたので、医師としてしばらく働いたらそれを確かめたかったのです。二度手間ですが、基本的に自分のやってきた事・今やっている事に対し、「本当に意味あったのかな?」と振り返りたくなる性格なのだと思います。さすがに著しく二度手間なのと、いつの間にか気にならなくなったので、今はもう1度講義を受け直したいとは思わなくなりました。

 

 

現在に受ける講義、未来に見える講義

まず前提ですが、医学科の授業はほとんどが必修科目になっていて、それらの単位がとれないと原則的には進級できません(細かいところを個人で選ぶことは出来ますが、だいたいの流れはカリキュラムで決まっています)。医師国家試験を受けるには医学科を卒業することが必須ですから、進級できなければ医師になれません。

「僕はこの講義に興味が無いので受けません」と思うことはその人の自由ですが、それではいつまでも進級できず、医師にはなれず、そうなれば給料も稼げないし、何のために医学科に入学したのかも分からず本末転倒で、結果的にその人が大きな損をします。だから学生側の興味の有無にかかわらず、カリキュラムに入っている講義については、単位を取らないといけません。

ただ中には医学生の時には意味が分からないけれど、医師として働き出した後しばらく経ってから意味が分かるような講義があるかもしれません。これは「この講義は後でどう活きるのだろう?」と気になって仕方が無い学生にとっては狐につままれたような感じを受けるかもしれません。そうはいってもまず、医学科を進級するためには講義を受け、単位をとらなければなりません。中にはハッキリと「意味あるんですか」と言う学生もいるでしょう。正直興味は無いけどカリキュラムだからと割り切ってしまえる学生も多いでしょう。好奇心をもって取り組める学生もいるでしょう。それは個人の性格レベルの話になります。

上に「医師として働き出した後しばらく経ってから意味が分かる」と書きました。私の場合は「ああ、あの講義の意味はもしかして……?」と思うことがポツポツと出始めたのは働き出して5年目くらいのことだったように思います。おそらく今も忘れたままになっていることが多くあるのでしょう。今度は自分が教員側に回ることになりました。なかなか難しいことですが少しでも有意義な気持ちで学生さんが講義に取り組めるよう心がけたいと思っています。

 

Author: 今岡 慎太郎


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